確率は『面積』と考えると、とても分かり易くなります。
今回は、事前にある事象が起きる確率が分かっている時、情報を与えることで、その確率がどう変化するのかを図解します。
例として、ワールドカップ(W杯)を挙げます。
W杯のベスト4に以下の4ヶ国が進出したとします。
アルゼンチン
ポルトガル
フランス
日本
普通に考えると、これらの国のどちらかが優勝する確率は25%です。
1/4の確率で優勝するので、当然です。
この、事前に起きる確率が分かっている確率のことを【事前確率】といいます。

そして、この事前確率に以下のような【情報】を与えると、優勝確率はどう変化するでしょうか?
情報:エースがPKを決める確率
メッシ:51%
ロナウド:37%
エムバペ:64%
堂安:7%

この『エースがPKを決める確率:○○%』という情報を与えることで、優勝確率は25%から変化します。
この確率が更新される過程を、【ベイズ更新】といいます。
これを図解して考えてみます。
【ベイズ更新】後の優勝確率は下記の青い面積となります。
例:メッシがPKを決めてアルゼンチンが優勝する確率は32.08%となります。
事前確率25% ⇒ 事後確率32.08% 【確率が更新された】


これを数字で記載したものが下図です👇
0.25(事前確率:アルゼンチンが優勝する確率) × 0.51(情報:メッシがPKを決める確率) ÷ 0.3975(周辺尤度) ≒ 0.3208(事後確率:メッシがPKを決めて優勝する確率)


では、ベイズ更新で確率が更新される過程を見ていきます。
重要なのは、情報です。
情報は尤度(ゆうど)と呼ばれ、物事が起こる最もらしさのことを言います。
メッシの場合、尤度は51%です。
この尤度に事前確率をかけたものの総和を周辺尤度と言います。
(周辺尤度:優勝する・しないに関わらず、PKを決める確率の起こりやすさ)


p(B1)アルゼンチンが優勝する確率:25% × p(A1)メッシがPKを決める確率:51% = P(B1)P(A|B1)12.75%
このP(B1)P(A|B1)の総和が周辺尤度です。

式にすると、下図の青い枠線の部分が周辺尤度。

そして、更新したい確率を周辺尤度で除した数値が事後確率となります。

これだけです。
まとめると、以下の式でベイズ更新が出来ます。
事前確率 × 尤度 ÷ 周辺尤度 = 事後確率
25% × 51% ÷ 39.75% ≒ 32.08%

