離婚率全国1位。
沖縄県の少し寂しい事実です。
沖縄県民なら、何となく理由を想像できる方も多いでしょう。
・若年層でのデキ婚が多い
・収入が少ない
・なんくるないさ
・緩い雰囲気の県民性と考えの甘さ
など。etc..
しかし、想像は難しくないにしても根拠が弱い気がします。
そこで統計学の出番です。
沖縄県の統計指標を活用して、何かしら数値で離婚率が高い原因が探れないか考察していきます。
利用させていただく統計指標はこちら。
沖縄県企画部統計課にて公開されている資料です。
https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/
こちらの資料には、沖縄県の総面積や総人口、中学校生徒数からコンビニの店舗数まで様々な統計情報が掲載されています。
一部抜粋👇

今回は表題の通り、何故全国1位の離婚率なのかを環境から考察していきます。
この総括表は、エクセルファイルにて細かく確認することができます。👇

沖縄県を取り巻く環境は様々ですが、離婚に関係がありそうな要因をピックアップし、加工した資料が以下です。👇
全国の指標を基にした、離婚に影響を与えそうな要因
1.年平均気温(全国1位)
穏やかで暖かい気候は、離婚率を下げる効果あり❓
2.総人口(全国25位)
たくさん人がいれば、離婚率も高くなる❓
3.母子世帯割合(全国1位)
片親だと離婚に抵抗がなくなる❓
4.刑法犯認知件数に占める凶悪犯の割合(全国19位)
治安が悪いと離婚率も上がる❓
5.月間現金給与総額(全国最下位)
収入が低いと不仲で離婚率も上がる❓
6.平均年齢(全国最下位※全国一若い人が多い)
若い人がたくさんいる。若くして結婚すると、すぐ離婚する❓

これら6つの要因を説明変数として、重回帰分析を行います。
目的変数は当然離婚率となります。
結論から見ていきます。
離婚率が高くなる原因
第1位 母子世帯割合が高い(全国1位)
第2位 平均年齢が若い(全国1位)
第3位 月間現金給与総額が低い(全国1位)
母子世帯割合が高いと、離婚率も上がるという結果が出ました。
「母子家庭で育ったこどもは、将来離婚する可能性が高まる。」という話はよく聞きますが、数値としても表れています。
意外だったのは、月間現金給与総額の低さは、母子家庭であることや平均年齢の低さと比較すると、離婚率に大きな影響を与えない。
という結果が出たことです。
若年層の意思決定らしく、『愛とお金は無関係。』ということでしょうか❓
また、暖かい気候や凶悪犯罪の認知率、総人口はあまり離婚率には影響を与えないことも分かりました。
では、ここからどのように解析したのかをご説明していきます。
まず、6つの説明変数の相関を確認し、多重共線性(マルチコ)が起きていないかを判断します。

【総人口と平均年齢】、【総人口と月間現金給与総額】の相関が高いため、【総人口】を除外します。
この状態で重回帰分析を行ってみます。

決定係数は0.8。この回帰式で約80%を説明できることになります。
しかし、データ数(n = 47)が少ないことから、さらに不要な説明変数を削減します。
P値の高い【年平均気温】と【刑法犯認知件数に占める凶悪犯の割合】を削除します。
残った【母子世帯割合】【月間現金給与総額】【平均年齢】の3つで再度重回帰分析を行います。

結果はすべての変数が有意水準5%で有意となりました。
決定係数は0.81。F値も有意です。
P値の低い順から【母子世帯割合】、【平均年齢】、【月間現金給与総額】となりました。
各相関図も載せておきます。
母子世帯割合と離婚率は少し強い正の相関が見られますね。決定係数52%。
