株式投資やFXなどのご経験がある方は、ご覧になったことがあると思いますが、投資には様々な指標があります。
ややこしいカタカナだと思って、何となく眺めるより、指標を理解しながら相場を眺めると、ポジションを持っていなくとも、それなりに楽しめます。
本記事では、日本マクドナルドホールディングスの株価を例に投資指標の見方と使い方について考察します。 プログラミング言語はpythonを使用。環境はwindows11。jupyter notebookです。 使用するパッケージの本家サイトは下記です。
https://github.com/ranaroussi/quantstats
投資指標用語集
本記事で紹介する用語は4つです。
①ドローダウン
ドローダウンは、評価額が元本割れを起こし、マイナスの状態(含み損)にあることをいいます。
②プロフィットファクター(PF)
プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失 で計算します。 数式から1.0以上でなければ、利益がないことが分かります。 当然数字は大きければ大きいほど良いです。 プロフィットファクター 0.8 = 10万円 ÷ 12.5万円

③リスクリワードレシオ(RR)
リスクリワード = 平均利益 ÷ 平均損失 で計算します。 数式から1.0以上でなければ、利益がないことが分かります。 当然数字は大きければ大きいほど良いです。 リスクリワードレシオ 1.6 = 10万円 ÷ 6.25万円

④シャープレシオ
日本マクドナルドの場合、上場時からのシャープレシオは0.18となっています。しかし、唐突に0.18と言われても、その数値が良いのか悪いのか判断できません。 それもそのはずで、シャープレシオはあくまで比較のための指標です。 日本マクドナルドのシャープレシオが0.18なら、モスバーガーは0.25。 などの様に、同業他社の比較対象があって初めて意味を持つ指標がシャープレシオです。
シャープレシオも数字は大きければ大きいほど良いです。 以下、計算式と考え方です。
シャープレシオ = 年換算利回り ÷ リスクの標準偏差(1σ) シャープレシオ(0.187) = 年利(1.65%) ÷ リスク(8.8%) ※投資においてリスクとは、利益率の±変動率を言います。 リスクが8.8%ということは、年換算利回り1.65%の利益率が、±8.8%変動するリスクがあることを意味します。 つまり、日本マクドナルドの株価の年間パフォーマンスは、 ▲7.15%〜10.45%の間で変動する確率が68%である。ということです。 年初の株価が5,000円だとすると、4,642円〜5,523円で変動する確率が68%となります。 何故、68%かというと、リスクは標準偏差という単位に変換されているからです。詳細は統計学に譲ります。
日本マクドナルドホールデイングスと日経平均株価のパフォーマンスを比較
!pip install quantstats %matplotlib inline import quantstats as qs qs.extend_pandas() stock = qs.utils.download_returns("2702.T") qs.plots.snapshot(stock, title='stock Performance') qs.reports.full(stock, "^N225")
上記コードを実行すると下記が表示されます。 日本マクドナルドホールディングスの上場時からのパフォーマンスが確認できます。

上図は、上場時からのマクドナルド株価のリターン推移です。 日本マクドナルドホールデイングスは2001年7月に上場。 今でこそ好調なイメージがありますが、公開当時から株価は暴落。 長きに渡り、▲50%以上のドローダウンが続いていました。
では、日経平均株価と比較した、上場来のパフォーマンスを見ていきます。 Strategy:日本マクドナルド Benchmark:日経平均株価

上記から、マクドナルドより、日経平均株価の投資指標の方が優秀であると言えます(日経平均の方が儲かった)。


2001年~2017年まで(5,806日間)の株価は、マイナス圏(△70%の含み損)で推移しており、初期の投資家には苦しい期間が長く続いていたことが分かります。
次は時系列のリターン比較です。青色がマクドナルド。 上が標準表記。 下が対数表記。

年間リターン推移。マクドナルドは2017年、2018年のリターンが大きいです。

月次リターンの分布。 さすがに20年以上の月次リターンを並べると、正規分布します。 中心極限定理が垣間見られます。 平均リターンは若干のプラス。

シャープレシオ他、各指標の半年ごとの推移。

ドローダウンとその期待値(△40%) かなり大きいマイナスの期待値です。


最後の箱ひげ図では、年間リターンでマイナスの外れ値があります。
箱ひげ図の見方は以下です。 最小値~最大値まで小さい順に数値(ここではリターン)を並べます。 最小値から1/4(25%)の数値を第一四分位点と呼びます。 最小値から2/4(50%)の数値を中央値と呼びます。 最小値から3/4(75%)の数値を第三四分位点と呼びます。
そして、第一四分位~第三四分位までの範囲を四分位範囲(IQR:interquartile range)と呼びます。※ここに全体の50%の数値(75% - 25%)が収められています。
更に、IQRの最大値×1.5倍 = 外れ値(上側) IQRの最小値×1.5倍 = 外れ値(下側)
と表記します。
このことを理解して箱ひげ図を見ると、マクドナルド株価の年間リターンは下側に外れ値があり、暴落時に大きく下落することが分かります。
現在では、素晴らしい株主優待に他、強い株価を維持しているマクドナルドですが、上場直後から16年間に渡りマイナスのリターンをたたき出していたことが判明し、驚きでした。
日本マクドナルドの株価については以上です。
この様に、投資指標を理解しながら相場を眺めると、より違った面白さが味わえるかと思います。
是非ご活用ください。
Mini統計沖縄では、数学や統計学を活用した資産運用のお手伝いを致します。初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。